<略称:保守協会>

開発の歴史

加熱試験器

 

 

当保守協会では、昭和39年7月の設立以来、 消防用設備の点検を適正に、さらに効率的かつ安全に行うために、試験器具の研究・開発を進めてきました。

設立当時、スポット型感知器の現場における作動試験は、アルコールランプを用いて極めて簡易な方法で行っていましたが、 この方法は裸火であるため、加熱による感知器の損傷・火災発生の危険がありました。
昭和40年10月、各都道府県消防主管課長宛に「自動火災報知設備のうち感知器に関する現場試験について」(昭和40年10月21日付自消丙予発第165号 消防庁予防課長通知)の通達が出されました。

この通達により、試験は従来の方法より、感知器を加熱し作動するまでの時間を測定して良否を測定する方法に改められ、加熱試験器による試験方法も、下記のように感知器の種類によって異なるようになりました。

 

 

差動式スポット型感知器・補償式スポット型感知器の場合 白金カイロ式・赤外線電球式
定温式スポット型感知器の場合 白金カイロ式・アルコールランプ式 ・赤外線電球式。

 

しかし、定温式スポット型感知器の試験をする場合、

  1. 白金カイロ式は温度が容易に上がらず規定値内で作動しない。
  2. 赤外線電球式は電源コードが必要となるため現場試験に用いるには種々の支障がある。

 

等、様々な問題も抱えていました。

昭和41年4月、保守協会技術スタッフ内において、いずれの感知器にも有効な単一試験器の必要性が提唱され開発に着手し、同年12月、HK-1型加熱試験器を完成させ実用新案登録を申請しました。 続いて昭和42年9月に改良型のHK-2型を開発。昭和44年7月に実用新案権を取得し、昭和45年8月に社団法人日本火災報知機工業会主催の各種実験及びテストにて、その性能が高く評価されました。

その後、昭和 51年3月、HK-3型白金カイロ式加熱試験器を開発。昭和51年8月現場試験に適合する試験器として自治省消防庁の認定を受けています。

HK-3型加熱試験器は開発当初、従来の火口を使用していましたが、より安定した火力を得るべく専用の火口の開発が急がれました。
昭和61年3月に加熱試験器「HK-3型」用専用火口が開発され、従来の火口より効率的かつ安全に点検を行えるようになりました。

保守協会では今後も、消防用設備の点検を適正に、さらに効率的かつ安全に行うために、試験器具の研究・開発を進めて行きます。

 

加煙試験器

 

当保守協会ではHK-3型加熱試験器の他に安全センター評定品『HKS-2型加煙試験器』も販売しておりました。

昭和44年3月の煙感知器設置義務化により、煙感知器に関する試験方法が定められた事を契機に、溶接用渦巻線香を使用した加煙試験器を開発、昭和45年1月に自治省消防庁(当時)より現場試験に適応する試験器との認定を受けています。

平成4年2月に発煙量を高め、試験器が水平に天井に平衡するように自在アームを採用し、より効率的かつ安全に点検を行えるよう改良しました。